「虹の色」に学ぶ異文化間の認知の違い-言語とその文化が制約する「認知と行動様式の限界」を乗り越える

言語は、その言語を使う人の認知に大きく影響します。

例として、「虹の中に見える色の数」について紹介します。

虹はどの文化でも美しい現象として認知され、その現象そのものに名前がつけられています。
日本語では「虹」、英語では「レインボー」です。


しかし、その虹の中に見る色の数となると、文化によって様々です。

日本では虹と言えば「七色」です。
一方、アメリカでは六色とされています。欧州では、国によっては、五色とされています。アフリカでは、三色や二色とみなされている国や部族もありるそうです。

この認知の違いは、その人が属する文化や、その文化で使われる言語次第です。
日本人は、「虹は七色」と刷り込まれているので、そこに7つの色を見て、それは六色でもなく八色でもなく、七色なのです。

[参考] ニュートンの7色説の権威とその乗り越え(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%B9#%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%81%AE7%E8%89%B2%E8%AA%AC%E3%81%AE%E6%A8%A9%E5%A8%81%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%B9%97%E3%82%8A%E8%B6%8A%E3%81%88

もっとも、「七色」であれば「六色」や「五色」に見える文化より優れているという意味ではありません。
虹は、複数の色で構成されているというよりも、紫外線から赤外線までの波長の光がグラデーションをとって分布しているものにしかすぎません。
それをむりやり分別しているのは人の認識です。
そして、本来識別できてないグラデーションまでを「識別できた」と無理やりみなしているかもしれません。

「七色」だとまだピンとこないかもしれませんが、もしも、「ある言語では、虹は127色とされている。その言語の話者は、虹の中に127色を見ているのだ」と言われたならば、「それはちょっとムリがあるだろう」と感じられると思います。
127であろうと64であろうと8であろうと、4であろうと、それは程度の問題です。
しかし、ある言語の話者に「私は虹に127の色を見ているのだ」と言われたとして、それをあからさまに否定すべきものでもありません。


言語は、その言語を使う人の認知に大きく影響します。
言語は「世界はこうなっているから、こう切り出して認知するべき」と見立ての方法を人に刷り込みます。

強い表現で言ってしまえば、言語の習得の段階で、人はその言語を運用する文化に「洗脳」されているとも言えます。


日常使っている言語やその言語を運用する文化からの洗脳は、とても強く人を制限します。
「虹の中に見る色の数」くらいであれば影響は限定的ですが、「日本人らしいふるまい」、「日本人らしい◯◯な価値観」といった言葉がネガティブに使われるシーンも多いです。

「あたり前すぎて、ほかの選択肢があるという気づきすらない」、「半ば自覚しているけれども、当然と感じているので乗り越えられない」そんな限界は誰もが有しています。

このメールマガジンでよく紹介する「地図」、「気づき」、「選択」、「手順」というフレームワークで言えば、「事実上気づくこともできない」、あるいは、「選択肢が示されているようで、選択可能な選択肢はない」状態です。


この文化による洗脳から自由になるには、母国語以外の言語と強く関わることです。
自然言語でも、プログラミング言語でも構いません。
どちらも、「これまでの自分にはない、認知の方法」を提案してくれます。

義務教育の英語は僕をそんなに変えたとは感じられませんが、南米で取得したスペイン語は僕を大きく変えました。

プログラミング言語も同様です。
エクセルVBAにしろ、Pythonにしろ、プログラミング言語は、その言語の開発者が「世界って、こういう風に切り取って表現したらキレイに説明できるんじゃない?」と思って設計し、そして実装したものです。

そこには、その言語の開発者が属する文化や認知の様式、その言語そのものの持つ認知の様式があります。

プログラミング言語の習得は、実務で即効性がある一方で、「異文化との関わりによってより豊かな認知の選択肢を手に入れるための学習」というリベラルアーツ的なものでもあるのです。

「英語」や「スペイン語」のようなものよりも少ない学習コストで事務仕事に大きなインパクトを残すことができ、かつ、深い学びにもなる。
その点が、プログラミング言語習得の面白いところです。
  • このメールマガジンの読者は、義務教育から英語を学ばれてきた方がほとんどと思います。
    英語を学んだことで「日本語と違って、こんな表現方法なんだ」と思ったことがあれば挙げてみてください。

    たとえば、僕にとっては、日本語では住所は県→市→町→番地と大きなところから示すものですが、英語では、道の名前→町→市→州と、小さなところから示すということがとても興味深かったです。

    SVO, SVOO, SVOC といった構文の形も、日本語と違って興味深かったです。
    「日本語と違って、否定文かどうかが文章の序盤で分かるので、文脈を捉えるのが楽だ」と学習初期に思いました。
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プログラミング言語の習得の魅力のひとつは、実務で即効性があることです。

「3日がかりの仕事が3分で終わる」というレベルの改善例をデモでご紹介します。
1分ちょっとの動画です。音声もないので、気軽に再生してみてください。
https://forum.pc5bai.com/lesson/page/354/

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